yo_k_o

よこ · @yo_k_o

25th Sep 2010 from Twitlonger

双花・・・?1 #saiuncafess お前は明日からギャルソンだ」

黎深様に呼び出されて言われた言葉がこれだった。

「俺はもう、子どもじゃありませんよ」
「何を言ってる、英語の意味のギャルソンのことだ」
「は?」
フランス語だと少年の意味だが、英語ではウェイターのはず。訳がわからない。
「駅前にカフェを始めた。そこで働いてこい」
「カフェ?嫌ですよ。研究があります」
「そんなもの、どうとでもなる。とにかく、お前は明日からギャルソンだ。いいな」
「嫌です」
「嫌だと言って、逃げられたことがあるか?」
「・・・・・・・」
絳攸のカフェでの仕事が決まった。

黎深様が駅前に始めたカフェは、「Cochineal」(コチニール)。コチニール・レッドから取った名前なのだろう。
「・・・・虫じゃないか・・まったく」
「黎深殿らしいじゃないか」
絳攸がカフェでギャルソンをしなければならなくなったと聞いて、研究室の同期の楸瑛が面白がってついてきたのだ。
「募集してるのなら、私もやろうかな」
「お前、研究どうするんだ」
「絳攸がいなければ、研究室に行く意味がないよ。ああ、冗談だから睨まないで」

白い壁に赤味に強い煉瓦を配したその店は、落ち着いた雰囲気のカフェになっていた。
家庭教師のバイトはしたことがあったけれど、接客業は初めてだ。
愛想もよくないのに、務まるのかと不安になりながら店内に入る。
「楊修・・先生?」
驚いたことに、迎えてくれたのは子どもの時に勉強を教えてくれた楊修だった。


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