yo_k_o

よこ · @yo_k_o

25th Sep 2010 from Twitlonger

双花・・?4(完) #saiuncafess 「あそこまでしなくてもいいんじゃないですか?」
楊修に続いて外に出ると、楸瑛は言った。楊修が絳攸に求めているものはカフェのギャルソンの振る舞いではない。三ツ星レストランやホテル並みのレベルだ。
「でも、絳攸は満足していない」
楊修にそう言われてカッとした。それは、あなたが褒めないからだ。
家庭教師として絳攸を教えてきた楊修が合格点を出さなくては、絳攸は安心しないのだ。
「人嫌いの傾向があった絳攸が、人と接することが苦にならなくなってきた。養い親の思惑どおりにね。もういいじゃないですか」
「まぁ、君のようになれたら、絳攸も満足するかもしれませんけれどね」
楸瑛が楊修を睨む。そのせいで絳攸と妙な溝が出来てしまったのだ。
藍家で生まれ育った楸瑛にしてみれば、いつも給仕してもらっているからわかるだけだ。それに、仕事が出来ているから怒らないのではない。楊修は絳攸しか見ていないのだ。
おかげで絳攸は楸瑛に劣等感を感じているのか、最近よそよそしくなってしまった。
更に居残り特訓するようになって、二人で帰ることも出来ない日が続いている。
楸瑛にしてみれば、面白くないことばかりだった。憮然とした顔の楸瑛を興味深そうに眺めて楊修が言った。
「絳攸はまだ、鍛えますよ。彼がそれを求めるかぎりは」

「それに、たまに褒めた時の笑顔はたまりませんからね」

End


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