2コリント人への手紙の背景

 今日から教会の通読カレンダーでは2コリント人の手紙に入ります。
この手紙の背景がわかると、少し読み易くなります。

 パウロがスタートしたコリント教会の人たちにさまざまな問題が起こっていました。
分派、不品行、異教の中での文化の問題、聖霊を正しく知らないこと・・・。しかし、
問題自体が問題であること以上に、彼らが素直に主に聞く耳を失い、自己主張を繰り返、ついには主がたてた使徒パウロの批判でもって、主に対しての謙虚さを失って行くことが問題でした。自分の正当性を主張することで自分の問題がさらに見えなくなるという悪循環です。

 近親相姦にある男性を正しく導けないコリント教会にさまざまな教えを書いた手紙、第一の手紙をテモテに持たせ、エペソから祈りをもって彼を遣わしますが、この指導は失敗に終わります。

 次にパウロは船でエペソからコリントに行き(対岸なんですね)、そこから北上してマケドニアへ、またコリントに戻って来て再び船でエペソに、と計画をたてます。ところがその計画を待たずして、テモテを通しての指導に従順になれない彼らを早急に訪れる必要が生じます。

 そして急いで船でエペソから訪れます。しかし、彼らのあまりにものかたくなさに会い、すぐエペソに帰ってしまいます。その後コリントからこの訪問に対して、「先に言ったこととは違う」と批判するものまで出て来ます。(時にエペソでの暴動でエペソを出、パウロの牧会は内に外に窮地に立たされ、彼のこころは弱ってました。)


1コリントの手紙とこの第二の手紙の間には、もう一つの手紙(涙の手紙)があったようです。このあたりの事情がわかると、この手紙がわかり易くなります。
今度はその手紙を持たせて、少し年上のテトスを送ります。

『私たちは、あなたがたの信仰を支配しようとする者ではなく、あなたがたの喜びのために働く協力者です。』 2コリント 1:24、 7:5 参照

その報告をまだかまだかと待つパウロは、トロアスで会えるはずのテトスが来ないので落ち込み、なんと海を渡ってマケドニアに向かって行きます。パウロのこころは苦しかった。2コリント 2:12

「しかし、気落ちした者を慰めてくださる神は、テトスが来たことによって、私たちを慰めてくださいました。」2コリント 7:6 
そうです、彼らはて悔い改めてパウロの愛を、主の愛を受け入れくれたのです。(パウロは慰められました。)

 それで書いたのがこの手紙です。
長くなりましたが、この手紙は神の私たちに対する思いを受け取るのには絶好の手紙です。この週の通読を通して、主が豊かに望んで下さいますように。 

2コリントメッセージ
http://twaud.io/ttQ

カルバリーチャペル西東京
牧師 山東克己

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katsumisanto@calvarychapel.com

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