twitthal

twitthal · @twitthal

27th Oct 2010 from Twitlonger

光の道 #hikarijp #hikari_road の議論で「90%」という数値が何を意味しているのか、正確な理解がされていないようなので、tweetlongerを利用して長文で書いてみる。この数値はNTT東西の公表数値から来ているのだ。

西日本 エリアカバー率80%以上
http://www.ntt-west.co.jp/news/1005xpls/fbxz100514_1.html
東日本 エリアカバー率 90% 以上
http://www.ntt-east.co.jp/release/1005rhvj/fpdw100514_1.html
き線点まで整備率
http://www.ntt-west.co.jp/info/databook/pdf/043.pdf
西概ね 89% 東概ね 93%

エリアカバー率というのは、「全ての固定電話数」を分母、「フレッツ光の提供が始まっているNTT通信局に属する全固定電話数」を分子としたものだ。そのエリア内の固定電話は実際にフレッツ光が利用できるか否かに関わらずその全数が分子に算入されている。またあくまで「エリアカバー率」というものであり携帯電話の「人口カバー率」とも違う。

き線点までの整備率というのは、NTT局舎から地中を通ったケーブルが、各地域ごとに地面に出てくるポイントまでの整備率である。全き線点数を分母、光到達き線点を分子とする。き線点から先の架空ケーブルが整備済みであるかは全く考慮しない数値である。

つまりいずれの数値も「利用しようと思えば利用できる人が9割なのだ」ということを意味するものでは全く無い。

佐々木俊尚氏の『ソフトバンクの「光の道」論に全面反論する(上)』
http://japan.cnet.com/blog/sasaki/2010/04/29/entry_27039509/
には、次のような一節がある。

「光ファイバー(FTTH)に関していえば、人口比で90%にあたる全長60万キロのFTTH網はもう整備されている。だから「インフラ」はすでに90%できあがっている。しかしFTTHを実際に使っているのは、全体の30%の世帯でしかない。」

ここで佐々木氏が何の「90%」について書いたのか不明なのだが、10人中9人が利用できるにも関わらず実際に利用しているのは3人だけだという論旨だ。

ここから「90%」という数値が一人歩きし、「申し込めば通る90%」という誤った理解が広まった。

この90%/30%の対比は、総務省タスクフォースの最新の参考資料でも繰り返されている。
http://www.soumu.go.jp/main_content/000086300.pdf
三枚目論点の冒頭にある表現
「超高速ブロードバンド基盤は、90%の世帯に整備されているものの、利用率は30%超にとどまっている状況にあり」は委員が提示した論点という位置づけだと思うが、これは大間違いである。「90%の世帯に整備」なんて数値はどこにも無いのだ。

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