指導者にとって最大の悪徳は、憎しみを買うことと軽蔑されることである。

それゆえに、もしもこの悪徳さえ避けることができれば、君主の任務は、相当程度に全うできるであろうし、他に悪評が立とうと、なんら恐れる必要はなくなる。
憎悪は、国民の持ち物に手を出したときに生ずるのだから、それをしなければさけるのはやさしい。
軽蔑は、指導者の気が変わりやすく、軽薄で、女性的で、小心者で、決断力に欠ける場合に、国民の心の中に芽生えてくる。
それゆえ指導者たるもの、公開中の船が暗礁に注意するのと同じ気持ちで、上に記したような印象を与えないように注意するべきである。
そして、自分の行うことが、偉大であり勇敢であり、真剣で確固とした意志に基づいているよとみえるよう、努めなければならないのだ。

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