[転載+編集したもの]メイド服着た男の娘が「あの・・・、私なんかで宜しんでしょうか・・・」と言ってきて、俺がワイングラス片手に「構わないよ、ハニー」と言いながらそっとその子に近付いて「大泉洋の髪型・・・、あれ絶対ウケ狙いだよね・・・」って俺が語りかけると、男の娘がくすっと「真剣に悩んでるのに、もうご主人様!」ってちょっと顔を赤らめて答えて、そこへ俺がさっと男の娘の肩にのせた手をぐいっと引いて「晩御飯は、君のとっろとろのグラタンか、あっつあつのカツ丼か、ハートが燃え盛るリポビタンDがいいな」って言うところを、女メイドが「そんな男の娘なんかにばっかりをもっちゃって変態!」みたいな事を言ってくるんだけど俺は「男の娘かどうかは、問題じゃないな。性別なんて、俺にはどうでもいい。そこにスウィートハートがあるかどうか。ただそれだけさ」って言ってぐいっとワイングラスを飲み干す、そして女メイドが見ている前で「さぁ、今日は楽しもうか、レッツダンスパーティーだ。タップを鳴らそう。二人だけのね」って言って男の娘メイドの手をとって、俺は踊り出すんだ。シャンデリアの下で。男の娘は悲しそうな目をする「彼女のこと・・・・、いじめないで下さい・・・」ああ、なんて他人想いの子だろうと、俺は踊る体を止め、男の娘メイドの頭にゆっくり右手をのせる。「君は本当に心根が優しい子だ」俺は頭をゆっくり撫で、女メイドを向く。「踊るかい?」おざなりに出した手を見て女メイドは「結構です」と言って踵を返す。「ふられたよ。それじゃあ、続きといこうか」ドに再び視線を送り、俺は二人だけのパーティーを再開する。BGMは小鳥の囀りだ。バロックの時代でも再現出来なかった理想の社交場がここにある。俺は踊りのテンポを早めた。「あの、ご主人様・・・、動きが・・・、早・・・・あっ!!」男の娘メイドはバランスを崩して俺にもたれかかる。「大丈夫かい?」「だ・・・大丈夫です・・・・、あっ!!」男の娘メイドが気がついたかのようにハッと顔を赤らめ、そしてさっと俺の体から距離を置く、その反射的自らの行為にも気付いてか細い声で「も・・・申し訳ございません・・・・」と体を震わせながら答えると繋いでいた手を離した。俺は後ろに下がって再びワインをグラスに注ぎながら、そしてグラスに視線を送りながら、語りかけるように「約束しただろう。俺は君を大切にするって。それはこう言うことだって」俺は乱雑な手つきで靴を脱ぎ、上着を捨てる。「ご、ご主人様!?」突然の行為に、男の娘メイドは驚く。「服なんて、飾りだ。靴は、人や土や花を踏みつける道具でしかない。そんな物、お前の前では不要だ」俺が上着を脱ぎ終えようとすると、男の娘メイドはそれを必死で止めようと抱きついてくる。「止めてください!!・・・・そんな、そんな事はしちゃダメです・・・」うっすらと、瞳に雫が見えた。俺はわざとそれを無視して続ける。「なぜだ?お前と俺の間に必要な物ではないだろう?」若干被り気味に答える「どうして・・・、どうして私の為にそこまで・・・・」「答えなんか必要なのか?」「でも、私は貴方にとって・・・・」「そうさ、君は俺のメイドだ」俺がそう断言すると、男の娘メイドは嬉しそうな、でも悲しそうな、苦しそうな、解放されたような表情をする。「そうです・・・。私は貴方のメイドです・・・」「でも、君にとっての俺はどうかな?」俺が手を向けると、驚いて男の娘メイドは後ろにさっと身を引こうとして、バランスを崩す。俺は右手を背中にそっと回してそれを支えた。「今日二度目の、大丈夫かい?」「ご主人様・・・・」男の娘メイドは顔を下に向けて、表情を見せないようにした。「・・・・いじわる・・・・、なんですね・・・・」「ようやく分かったか」俺は右手で、見えない男の娘メイドの頬を優しく撫でた。わずかに冷たい、しかし温かくもある水滴に手が触れる。「私で・・・いいんですか・・・」かすれるような、消え去りそうな、そんな声が聞こえた。「いずれ言うべき言葉は、大事な大事な時の為に、とっておくよ」そう言うと、男の娘メイドは、大声で泣きながら俺に抱きついてきた。「いじわる!!ご主人様!!とってもいじわるなご主人様!!」俺は抱きついてきた男の娘メイドの頭に、そっと右手をのせて、ゆっくりと、それはスーパーボールが飛び跳ねてどこか飛んでいってしまわないかと、心配するぐらいの気持ちでっくりと、でも、力強く、抗えない、答え切れない、無数の言葉にならない言葉に対して返事を送るように、俺は大事に大事に頭をしっかりと撫でた。そう、二人の物語はこれから始まる。これが終わりじゃない。これからが、全ての始まりなのだと。ここからが本当の試練なんだと。
<続きは俺とオフで直接会ってから>

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