『TPP交渉訪米時対応 参加表明許さず 首脳会談控え念押し 官房長官にJA代表』|日本農業新聞4月17日

 JA全中の萬歳章会長らJAグループ代表は16日、首相官邸を訪れ藤村修官房長官に環太平洋連携協定(TPP)交渉に関する要請をした。大型連休中に予定される日米首脳会談で野田佳彦首相が交渉参加を表明するようなことがあってはならないと主張。その上で交渉参加の是非の結論を得る手順の明確化などを求めた。藤村官房長官は日米首脳会談は検討中とし、TPPに関する訪米時の対応も未定との見解を示した。同官房長官は日米の事前協議に触れ、自動車分野と郵政民営化法改正案など保険分野が課題となっているとの認識を示した。

 萬歳会長は、全国の農業者が、大型連休中に野田首相が訪米してTPPの参加表明をするのではないかとの疑念を深めていると指摘。12日のJAグループと政府代表による意見交換で、農水省の筒井信隆副大臣が「5月連休中の交渉参加表明はないと確信している」と発言したことを踏まえ、藤村官房長官の見解をただした。

 全中によると、藤村官房長官は野田首相の訪米を検討していることは認めたが、日程は確定していないと説明。ただ筒井副大臣の発言に「政府方針と大きく違っているとは思わない」と述べた。

 JAグループは、鹿野道彦農相や玄葉光一郎外相らが国会で、TPPに関して判断する場合に関係閣僚会合を開くとしていることを踏まえて、今後の手順をただした。藤村官房長官は「関係閣僚会合は手順の一つだが、野田首相の訪米前に開くかどうか決めていない」と発言。民主党としてどういう手順を踏むかも決まっていないとし明確な回答を避けた。

 事前協議に臨む政府統一方針の確立や十分な情報開示などを求めた五つの要請項目についても回答はなかった。要請には、全中の村上光雄、飛田稔章両副会長、JA全農の中野吉實会長、JA共済連の安田舜一郎会長、農林中央金庫の河野良雄理事長、JA全中の冨士重夫専務が同行した。

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