『TPP阻止でJAグループ 与野党代表に要請 慎重な意見相次ぐ』|日本農業新聞4月18日

 JA全中の萬歳章会長らJAグループ代表は17日、環太平洋連携協定(TPP)をめぐり、与野党4党に要請した。大型連休中に野田佳彦首相が訪米し、日米首脳会談でTPP交渉へ参加を表明しないよう強く求めた。民主党は国会の中で十分議論をする必要性があると発言し、国民新党と公明党は交渉参加を表明する段階にはないと強調。自民党はTPP参加に反対の立場を明確に表明した。各党とも、現段階での交渉参加表明に慎重な発言が相次いだ。

 民主党企業団体対策委員会の池口修次委員長は「今は情報収集の段階であるのは事実」と述べた。その上で、交渉参加の是非を「国会の中で議論をせずに行うのはいかがなものか」と述べ、国会で議論を深める必要があると示した。TPPに関する委員会の設置も「煮詰まってくればそういう話になると思う」と必要性を認めた。舟山康江同委員長代理は「米国の要求が不明な中で(参加の是非を)判断できる材料はない」と述べた。

 国民新党の下地幹郎幹事長は、代表交代後に党としてまとめた考え方を説明。現時点で「5月に首脳会談があるとしても、参加表明する状況にはないとの考え方だ」と表明。政府がたとえ交渉参加を決定しようとしても「(同党の)自見庄三郎金融・郵政改革担当相が同意すると言いにくい環境にある」と明言した。

 自民党に対しては、谷垣禎一総裁、大島理森副総裁らに要請。外交・経済連携調査会の高村正彦会長が、TPPに関する六つの判断基準について説明した。聖域なき関税撤廃を前提とする限り、TPP交渉参加には反対との文言について「TPPそのものに反対しているのと同じ」と言及。谷垣総裁は「国がおかしくならないよう政権交代を果たしたい」と述べた。

 公明党の山口那津男代表は、情報も国民的な議論も不足しており「交渉参加はふさわしくない」と強調。経済成長が著しいアジアの経済成長と連携すべきで、米国中心のTPPだけでは国民利益にならないと述べた。

 要請には村上光雄、飛田稔章両副会長、JA全農の中野吉實会長、農林中央金庫の河野良雄理事長、JA全中の冨士重夫専務らが同行した。

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