『慎重な議論 必要 衆院農水委で鹿野農相』|日本農業新聞4月19日

 衆院農林水産委員会は18日、TPP交渉参加問題などをテーマに一般質疑を行った。野田佳彦首相が訪米時に交渉参加を表明するかどうかについて鹿野道彦農相は「交渉参加に向けて協議を始めるというプロセスの中にある。まだ、交渉参加に向けてどうするか、というところには至っていない」と述べ、参加表明には慎重に議論を尽くすべきだとの認識をあらためて表明した。国有林野事業の特別会計を一般会計化するための関連法案の趣旨説明もした。

 民主党の京野公子氏(秋田)、自民党の小野寺五典氏(宮城)、新党大地・真民主の松木謙公氏(北海道)らの質問に答えた。

 農相は、政府が関係国との事前協議で情報を収集する段階にあることや、米国もパブリックコメントの分析段階である現状を説明。その上で「あくまでも交渉参加に向けて協議を始める中での経緯、途中であるという認識に立っている」と述べ、参加表明する時期ではないことを重ねて強調した。

 野田首相とオバマ大統領による日米首脳会談は30日にワシントンで開かれ、TPP交渉参加問題も含めて意見交換する見通し。首相の訪米前に関係閣僚会合を開く可能性について鹿野農相は「まだ定まっていない」と話すにとどまった。

 「首相は訪米時にTPP交渉参加を表明すべきではない」との意見が農水委員会で相次いだことを踏まえ、小野寺氏は「与野党共通の農水委員会の意見を、官邸で訪米前に伝える最後のとりでは(鹿野)大臣だけだ」と要請。

 これに対し、農相は「委員会のご指導は真摯に受け止めたい」と述べた。

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