【意見広告】『謹啓 内閣総理大臣 野田佳彦様』|日本農業新聞4月20日

 謹啓 内閣総理大臣 野田佳彦様
 
 私たちは、TPP交渉参加に大きな不安を持っています。
 昨年11月11日。総理は、私たち国民にこう約束されました。
 「世界に誇る医療制度」「日本の伝統文化」「美しい農村」は、断固として守り抜くと。
 そして、各国が日本に求めるものについての情報をさらに集め、
 十分な国民的議論をした上で、国益の観点に立って、結論を得ていくと。
 私たちは、総理がこれらの約束を覚えていらっしゃるか、大変疑問に思っております。
 総理。お願いします。
 
 TPPは関税を例外なく撤廃するというルールです。
 このような極端な制度の中で、「農村」そして「農業」をどのように守るのでしょうか。
 また、政府自身が決めた食料自給率向上目標50%は、本当に達成されるとお考えでしょうか。
 
 TPP参加にあたって、米国から「自動車」「郵政」「保険・共済」「医薬品」「牛肉」
 「食の安全」など、すでにいくつか条件が上がっています。
 今、どのような議論がされているのでしょうか。
 
 国益の観点からみて、TPPに参加すると、誰にどんなメリットがあり、
 誰にどんなデメリットがあるのでしょうか。
 
 私たちは、TPPが及ぼすであろう暮らしへの影響に、切実な疑問と不安を抱いています。
 しかし、私たちは、まだ何も知らされていません。
 国民的議論が尽くされているとも思えません。
 このような状況で、総理が訪米され、オバマ大統領とお会いになることがとても心配です。
 
 山と、海と、森と、川と、田園が織りなす日本の美しい風景と、
 多様な地域に根ざした食と農林漁業を、そして、世界に誇る医療制度を、
 私たちは、次世代につないでいきたいと思っています。
 失われるかもしれないのは、働く者の職であり、我が子の健康であり、父と母の平穏です。
 だから、私たちは、TPP参加に反対しています。
 総理。私たちの声を、聞いてください。
 総理は日本の未来を、一番想う人であるはずですから。
 
                    敬白
   平成二十四年四月二十日 TPPから日本の食と暮らし・いのちを守るネットワーク
 
 幹事団体:生活クラブ事業連合生活協同組合連合会、大地を守る会、パルシステム生活協同組合連合会、全国農業協同組合中央会、全国農業会議所、全国漁業協同組合連合会、全国森林組合連合会、社団法人中央酪農会議
 
 事務所 〒100-6837 東京都千代田区大手町1-3-1 TEL 03-6665-6250

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