『25日に国民集会 反TPP 女性も声を JA全国女性協 瀬良静香会長』|日本農業新聞4月20日

 大型連休中の日米首脳会談を前に、環太平洋連携協定(TPP)への交渉参加表明阻止国民集会が25日、3000人規模で、東京都内の日比谷野外音楽堂で開かれる。JA全国女性協の瀬良静香会長は、TPP交渉参加反対の思いを結集する場に女性の声が不可欠と、参加を呼び掛ける。女性農業者というだけでなく、母親の代表として、TPPの脅威からわが子を守る強い思いを込める。

 日米首脳会談で、交渉参加を表明するということがあってはならない。だからこそ、女性が集会に出て、声を上げることが重要だ。農村女性は、農業者であり、消費者であり、母親だ。親は子が何歳になっても元気でいてほしいと願っている。母親にとって子どもは命。その命を脅かすのがTPPだ。

 TPPにより、安い農産物が入ってくることはいいことだという消費者もいる。だが、残留農薬基準や食品添加物の使用基準など、世界で最も厳しいとされる日本の食品の安全が脅かされる。それでわが子の命を守っていけるだろうか。

 安い食品を求めるとどうなるか。数年前の中国産冷凍ギョーザ事件や汚染米事件で思い知らされたはずだ。教訓が生かされていない。輸入農産物が増えれば、耕作放棄地が広がり、国内の生産基盤を失う。農家は自給自足の生活ができる。困るのは都市部の消費ではないだろうか。TPPを推進する政府、官僚は自分たちの生活、子どもたちの生活を振り返り、よく考えてほしい。

 木材の関税自由化で、山は壊れてしまった。洪水が各地で起きているのはそのためだ。それと同じことを農業で起こしてはいけない。このままでは、日本の四季がなくなる。春は若葉、夏は水田に稲が青々と茂り、秋は黄金色に色づく。秋の山々は紅葉に彩どられる。未来を生きる子どもたちに日本の風土を引き継いでいかなければならない。そのためにも女性のネットワークを広げ、地域に情報発信していくことが重要になっている。

 TPP交渉参加反対運動の裾野を広げるため、女性の力が必要になっている。男性の持っているネットワークと女性のネットワークは違う。地域で農業の多くの部分を担っている女性が声を上げることが必要だ。(聞き手・高橋秀昭)

Reply · Report Post