『TPP 交渉参加に強く反対 全中会長が農相に要請』|日本農業新聞4月21日

 JA全中の萬歳章会長らは20日、東京・霞が関の農水省を訪れ、鹿野道彦農相に環太平洋連携協定(TPP)に関する要請をした。野田佳彦首相が日米首脳会談で交渉参加を表明しないように求めた。鹿野農相はTPPに関する情報開示や国民の議論が必要だと指摘し、交渉に参加するかどうか結論を出すのは時期尚早との認識を示した。

 萬歳会長は、野田首相が参加是非の判断時期について連休中の訪米時にこだわらないとの趣旨で発言していることも踏まえつつ、引き続き交渉参加には強く反対する考えを表明。事前協議に臨む政府方針の確立、十分な情報開示や国民的な議論など5項目を要請した。

 鹿野農相は、野田首相がワシントンポスト紙に語った発言について「国内での国民議論、米国内での議論、両国間の議論をさらに詰めていく必要性を語ったのではないか」と指摘。日本のTPP交渉参加について行ったパブリックコメント(意見募集)の結果を受け、米国がどんな要求をしてくるか、注視すべきだとした。その上で「できるだけ情報を提示しながら、国民に議論してもらうことが大事」と述べた。

 会談後、萬歳会長は記者団に対し「5月中旬以降も主要国会議などがあり、日米首脳会談が設定される可能性がある」と警戒感を示した。その上で「交渉参加断固反対の立場から、われわれの思いを皆さんに分かってもらえるよう頑張っていきたい」と述べ、交渉参加阻止に全力を挙げる考えを強調した。

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