『経済連携の戦略議論 進行方法めぐり紛糾 民主PT』|日本農業新聞4月27日

 民主党の経済連携プロジェクトチーム(PT、櫻井充座長)は26日、総会を開いた。環太平洋連携協定(TPP)に限らず経済連携の戦略について集中的に議論を始めることを確認したが、議論の進め方をめぐり紛糾。PTの吉良州司事務局長らがまとめた論点整理メモが配布されなかったり、当初の予定にない、石田勝之内閣府副大臣によるTPP交渉参加に前のめりとも受け取れる政府の考え方の説明が行われたりしたためだ。

 論点メモを作成したのは、吉良事務局長、佐々木隆博氏事務局長代理、福島伸享氏(衆・茨城)の3人。論点メモは①現時点では、TPP交渉参加国の中で関税撤廃の例外を求めている国がない②地方シンポジウムなどで交渉参加に反対する意見が多かった――といった事実を列挙。TPP交渉参加の是非をめぐっては、政府がさらに情報収集を進めることの必要性や、国民的合意を得ている状況ではないことを明記した。だがこのメモは、議員に配布予定だったにもかかわらず、櫻井座長が口頭で読み上げるにとどめた。

 一方、配布予定になかったPT事務局案の資料が配られた。同案は「例外が確保できないという話があるが本当か」など「希望的観測を誘導するような書き方」(出席議員)になっており、慎重派議員が激怒。資料の回収を求めた。

 議論の進め方について異議を唱えたのは山田正彦前農相や福島氏ら。慎重派議員の間では「推進派が一気に巻き返しに入ってきた」「野田佳彦首相は連休の訪米時の交渉参加表明は見送るが、5月18、19のG8首脳会談で、参加表明するつもりではないか」と懸念を強めている。

 またTPP交渉参加国との協議に関する副大臣クラスの幹事会の議長を務める石田副大臣は「政府の考え方」として、TPPについて「仮にカナダ・メキシコの両国が参加すれば、参加国数はアジア太平洋経済協力会議(APEC)21カ国・地域の過半数の11カ国となる」「TPPのルールが将来、アジア太平洋地域のスタンダードとなる可能性も考えられる」と指摘。「仮にTPP交渉に参加する場合、守るべきルールはしっかりと守りつつ、全力で交渉に当たる決意だ」と述べた。

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