『TPP交渉参加是非 判断時期でない 民主PT』|日本農業新聞4月28日)

 民主党の経済連携プロジェクトチーム(PT、櫻井充座長)は27日、総会を開き、環太平洋連携協定(TPP)交渉参加問題をめぐるこれまでの議論を整理した党PTの「論点メモ」案を提示した。交渉参加の判断には、さらなる情報収集や十分な国民的議論などが前提条件となることを再確認した上で、現段階では国民的な十分な議論や合意形成ができていないとし、現時点では交渉参加を判断する段階にないとの見解を事実上示した。同PTは、この「論点メモ」に基づき、TPPに限らない経済連携の基本戦略について連休明けから集中的に議論する。

・基本戦略 連休明け議論

 論点メモは①2011年11月9日の提言②関係国との協議による情報収集③国民への情報提供④我が国方針の明確化――の4項目。

 ①の提言では、TPP交渉参加の判断は▽懸念事項への事実確認を含むさらなる情報収集▽十分な国民的議論▽国益の確保の3点を前提条件として行うことが「政府・与党共通の認識」とした。

 一方、③の「情報提供」では、政府による地域シンポジウムや都道府県での説明会、関係団体との意見交換会で、情報収集の不十分さや交渉参加への懸念の声が多かったことを報告。「国民の間の十分な議論、合意形成が図られている段階に達していない」との認識を示した。

 ②の「情報収集」には、TPP交渉では、全品目を自由化交渉の対象とすることや、最終的に関税ゼロが原則とされていること、現時点で例外を求めている国がないこと、米国は牛肉や自動車、保険について何らかの解決を求めていることなどを記した。

 ④の「我が国方針」を議論するのは、TPPに限らず経済連携の戦略や対策を明確にする必要があるとの認識からだ。TPP以外に、日中韓、東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3、同プラス6などを「実現の可能性がある経済連携」として基本戦略を練る。特に、関税・非関税分野のルール作りや、自由化度、重要品目、投資家・国家訴訟(ISD)条項を含む国内制度への影響を議論する。

 27日の総会では、論点メモ案について大筋で了承した。

◇民主党・経済連携PTのTPPに関する論点メモのポイント

 ◆交渉参加の判断をする3条件を再確認
 
 ・さらなる情報収集
 ・十分な国民的議論
 ・国益の確保
 
 ◆現段階における交渉参加の判断
 
 ・情報収集は十分
 ・TPP交渉参加への懸念の声が多く、国民の間の十分な議論、合意形成が図られる段階に達していない

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