『TPP交渉 「参加」踏み込まず 日米首脳会談共同声明概要 なお警戒必要』|日本農業新聞5月1日

 野田佳彦首相とオバマ大統領が30日(日本時間1日未明)に行う日米首脳会談後に発表する共同声明の概要が分かった。TPP交渉参加については「2国間協議を引き続き前進させる」とするにとどめ、日本の交渉参加には踏み込んでいない。ただ貿易や安全保障を含むアジア太平洋地域のルール作りに両国が協力することを確認する。

 共同声明は、首脳会談後の共同記者会見で発表する。日本のTPP交渉参加を既成事実化するような文言は盛り込まれていない。しかし首脳会談のやりとりのうち公開されていない部分で、首相が前のめりな発言をしていないか警戒が必要だ。

 声明では、貿易や投資、安全保障などを含む地域の秩序とルール作りについて、アジア太平洋経済協力会議(APEC)や東アジア首脳会議などで「開放的、包括的で国際的に受け入れられるルールと規範を支える制度」を強化すると明記。中国などを念頭に「地域の全てのパートナーがこのプロセスに積極的に貢献することを歓迎する」とし、日米主導での秩序の形成に意欲を示す。

 今回の声明で、「2国間協議の前進」にとどめた背景には、4月27日に成立した改正郵政民営化法で、郵政が国の関与を残したまま、がん保険などの新事業を始められるようになることに米側が反発していることや、TPPに関する国民的議論が不十分なことなどがあるとみられる。

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