『中韓FTA 交渉開始へ』|日本農業新聞5月3日

 韓国政府は2日、中国とのFTAの交渉開始を宣言し、交渉原則を盛り込んだ通商担当相の共同声明を発表した。同原則では、重要品目に配慮した交渉方式を示した。交渉開始日は明らかにしていないが、13、14日の日中韓首脳会議の前になるとの見方が強い。

 交渉原則では、両国それぞれの重要品目を保護するため(1)品目を一般品目と重要品目に分ける(2)重要品目はさらに一般重要品目と超重要品目に分けて、長期間かけた関税撤廃や関税削減、関税撤廃・削減からの除外などを行う――とした。

 韓国は農水産分野の品目を、中国は製造業分野の品目をそれぞれ重要品目として位置付けるとみられる。ただ両国は食文化が似ており競合する農林水産物が米国より多く、地理的にも近いため、韓国農漁村社会研究所の権寧勤所長は、「韓国の農業への影響は米韓FTAより大きい。交渉は長引くだろう」とみる。

 日本は日中韓FTA交渉の早期開始を目指しているが、中韓FTAが先行することで影響を受ける可能性がある。

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