『TPP参加の海外報道 真偽めぐり憶測も』|日本農業新聞5月9日

 「野田佳彦首相が今月末までにTPP交渉参加の意思表明をするだろう」というニュージーランド発の報道があり、TPPに慎重な国会議員の間で真偽をめぐる憶測が飛び交っている。同国で開かれたビジネス会合で、TPP推進派の日本商工会議所の出席者が発言したという報道だ。同会議所は事実関係を否定しているが、6月の主要20カ国首脳会議(G20サミット)などを控え、議員の緊迫感が高まっている。
 
 同国の経済専門週刊紙『ザ・ナショナル・ビジネス・レビュー』が4日付電子版で報じた。同紙によると、同国オークランドで「ニュージーランド・米国評議会」が主催したTPPに関する会合(4日)で、同会議所からの出席者が「情報源は明かせないが」とした上で「野田首相は、日本がTPP交渉に参加するという表明をまもなくするだろうと聞いている。それは今月末までだろう」と発言したという。
 
 この記事が、大型連休明けから与野党の慎重派議員に広まった。同会議所は、日本政府にTPP交渉への早期参加を求める意見書をまとめ、4月24日には藤村修官房長官に要請している。このため「その際に情報を聞いたのではないか」(民主党議員)、「野田首相は(大型連休中の)訪米時に密約をしてきた」(自民党議員)などの憶測が飛び交う事態となった。
 
 これを受け、日本農業新聞が8日に同会議所に問い合わせたところ、発言した出席者本人が回答。「5月中の表明を『期待している』と発言した。政府がどうするかという情報を知っているわけがない」と報道を否定した。
 
 ある慎重派議員は「今回の真偽は別として、TPPに関する情報は、これまでも外国メディアの報道で明らかになることが多かった」と指摘する。6月4、5日のアジア太平洋経済協力会議(APEC)貿易担当相会議や、同18、19日のG20サミットを前に「今月中の表明は、十分にあり得る話。不用意な発言は控えるべきだ」と警戒している。

※引用者注:THE NATIONAL BUSINESS REVIEW紙の該当記事⇒ http://www.nbr.co.nz/article/japan-announce-tpp-intentions-conference-told-gb-118037

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