『TPP問題本質知って 世界の映画7作品上映 東京で6月1~5日』|日本農業新聞5月11日

 映画配給会社「アップリンク」(東京都渋谷区)は、環太平洋連携協定(TPP)で市民の暮らしがどう変わるのかを映像を通して伝えようと、6月1日から5日まで、同社内で「TPP映画祭」を開く。高い治療費を払えずに病死や破産に追い込まれる米国の医療制度や、多国籍企業が食料市場を支配する実態など、自由貿易が世界各地に及ぼす影響を追った7作品を上映する。映画の合間には、医師やジャーナリストらをゲストを招き、TPPの本質を語り合う。

 映画祭は、TPPをよく知らない都会の若者たちに、自分の問題として考えてもらおうと特定非営利活動法人(NPO法人)アジア太平洋資料センターと共同で企画した。

 期間中に上映する作品は、食の安全、医療、労働、公共サービスなどさまざまなテーマから選んだ。米韓自由貿易協定(FTA)で労働の「規制緩和」が進められた韓国の映画「外泊」は、非正規雇用の大量解雇に怒り、立ち上がった韓国の女性たちが主人公。米国の医療を描いたマイケル・ムーア監督の「シッコ」も上映し、大病を患えば治療費が支払われずに病死か破産に追い込まれるような、国民健康保険制度のない実態を学ぶ。

 この他、ヒマラヤの秘境で本当の豊かさとは何かを説くドキュメンタリー映画「幸せの経済学」や、食の市場を牛耳る企業の実態を浮き彫りにした米国の食品産業の現状を描いた「フード・インク」など、TPPに関連する作品を選んだ。

 上映後には、ジャーナリストの岩上安身氏や料理研究家の枝元なほみさんらを招き、TPPがどういったものかを農業や経済などテーマ別に解説してもらう。TPPをもっと知りたい人向けには、参加者同士が本音で語り合う機会を設ける。

 若者に関心を持ってもらおうと、映画のちらしやポスターは、デザイナーに依頼。おしゃれにかわいらしく仕上げた。多くの人に気軽に見てほしいと、「TPP反対」をあえて打ち出さなかった。同社の松下加奈さん(31)は「TPPとは何か、映画祭を通じて知ってほしい。生活者の問題であること、そして、弱い立場の人がさらに追いやられることを伝えたい」と話している。

 上映料は1作品1000円で、トーク付きは1500円。問い合わせは同社、(電)03(6821)6821。


引用者注:アップリンクHPの該当ページ⇒ http://www.uplink.co.jp/factory/log/004430.php

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