『FTA交渉 「年内開始」を明記 日中韓首脳 共同宣言 準備作業 直ちに』|日本農業新聞5月15日(時事通信5月14日)

 【北京時事】日中韓3カ国首脳は14日、北京で13日行った首脳会談を受けた共同宣言を発表した。日中韓3カ国の自由貿易協定(FTA)交渉については、首脳会談の合意を踏まえ「年内開始」と明記した。当初は会談直後の共同記者会見で発表する予定だったが、北朝鮮問題への対応をめぐり中韓両国が対立、文言調整が難航し、発表がずれ込んだ。宣言は結局、北朝鮮には言及しなかった。
 
 核実験を強行する構えを崩さない北朝鮮に対し、韓国は圧力を強める文言を明記するよう主張したが、中国が応ぜず、調整が付かなかった。中韓の足並みの乱れが露呈したことは、北朝鮮問題の行方に影を落としそうだ。
 
 日中韓3カ国の自由貿易協定(FTA)交渉については「年内開始」と明記、「この目標を達成するため、国内手続きや事務レベルの協議を含む準備作業を直ちに開始する」とした。同FTAが「3カ国の経済成長と繁栄に貢献する」と意義を強調した。
 
 宣言は、中国の海洋進出活発化で新たなルール作りが急務となっている海洋問題に関しては、「海の安全確保のため、捜索救助に関する協力強化の重要性を再確認した」と指摘した。金融、環境、防災、人的交流など幅広い分野での連携強化を目指すことも盛り込んだ。
 
 13日の首脳会談には野田佳彦首相、中国の温家宝首相、韓国の李明博大統領が出席。北朝鮮に対し、挑発行為を阻止するため連携を強化することで一致していた。

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