【解説】『日中韓 農業で共同声明 交渉への反映焦点に』|日本農業新聞5月16日

 日中韓3カ国は「持続可能な農業発展を促す」とした農業に関する共同声明を発表した。3カ国は13日の首脳会談でFTA交渉を年内に始めることで合意したが、互いの農業が共存せきるよう共同声明を具体的に交渉にどう反映させるかが焦点になる。
 
 共同声明は、日中韓の首脳会議が共同宣言を発表した14日に示された。日中韓FTA交渉を念頭に「農産物貿易を促すと同時に、日中韓3カ国の経済パートナー関係の構築を通じて持続可能な農業発展を促す」と明記した。日中韓FTAの在り方を検討した産官学の共同研究委員会も「(農業の重要品目などの)センシティビティー(難しい問題)への配慮」を提言している。
 
 日本と韓国に対して中国は農産物輸出国であり、日中韓FTAで農産物の輸出拡大を目指しているとされる。しかし一方で、自動車や電子製品などは競争力が日韓より弱く、守りたい分野だ。
 
 このため14日に始まった中韓FTA交渉で両国は、それぞれの重要品目を守るために、重要品目とそれ以外の一般品目を分けて交渉することなどで合意している。
 
 韓国は日中韓FTAより中韓FTAに力を入れるとみられ、中韓FTAが先行する可能性が高い。日中韓FTA交渉で日本は、共同声明や共同研究委員会の提言を具体的にどう生かすかが問われる。その際、中韓FTA交渉での農業の重要品目の扱いを注視する必要がありそうだ。(金哲洙)

※引用者注:外務省HPの該当ページ⇒ http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/jck/summit2012/agricultural_jp.html

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