『事前協議の加速懸念 与野党の慎重派議員』|日本農業新聞5月19日

 大島正太郎氏の政府代表起用に、TPP交渉参加に慎重な与野党の議員からは、日米間などでの事前協議が加速化し、TPP交渉参加につながるのではないかと懸念の声が上がる。
 
 「ずっと空席だったのに、重要な外交日程が重なるこのタイミングで決まった。TPP交渉参加に向け、政府が着々と環境整備を進めている証拠だ」と、民主党のある慎重派議員。米国で、18、19日に開かれる主要8カ国首脳会議(G8サミット)に続き、6月にはアジア太平洋経済協力会議(APEC)貿易担当相会合、主要20カ国首脳会議(G20サミット)が開かれる。「経済連携PTで交渉参加に慎重な意見を取りまとめ、政府に待ったをかけなければならない」と懸念する。
 
 WTO交渉での大島氏の交渉手腕を知る自民党の慎重派議員は「一定のバランス感覚はある。経済産業省の出身者が政府代表になるよりはいいだろう」とみる。ただ「野田首相が前のめりなのだから、誰が政府代表でも交渉参加を急ぐのは間違いない」と危機感を強める。

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