『TPPメリット集約 来週に持ち越し 推進派の根拠薄く 民主PT』|日本農業新聞5月19日

 民主党は18日、経済連携プロジェクトチーム(PT、櫻井充座長)の総会を開き、環太平洋連携協定(TPP)のメリットについて議員間の議論をしたが、メリットに関する意見集約を来週に持ち越した。推進派が経済成長や国内雇用対策として交渉参加論を唱えたが、TPPでなければならない理由が明確でなく、慎重派から反論が相次いだためだ。
 
 櫻井座長は「経済連携の(自由化度の)レベルの高さには違いがあるが、経済連携を進める方向では(推進派も慎重派も)一致した。しかし、なぜTPPなのか分からないという意見もかなりあった」と述べ、週内の集約を見送った。推進派が唱えたのは一般的な経済連携の利点で、TPP参加の必要性とどうつながるのか不明確なことが理由とみられる。
 
 党PTは21日の役員会で来週以降の議論の進め方を決める。当初はメリットに続いて、TPPに関する懸念事項を検証する予定だった。
 
 総会には30人超の議員が参加した。近藤洋介氏(衆・山形)は「海外に進出している中小企業は国内でも事業を拡大している」とし、TPPへの参加が国内産業の空洞化につながらないことを強調。林久美子氏(参・滋賀)は「外需獲得に向けた環境整備が政治の役割だ」と持論を展開した。
 
 これに対し、首藤信彦氏(衆・神奈川)は「海外進出に伴う失敗事例はいくらでもある。海外進出できる企業は国内でも体力がある」と反論。谷岡郁子氏(参・愛知)は、海外進出が本格化するにつれて企業の経営層にまで進出先の人材登用が進む懸念を挙げた上で「結果的に雇用や利益は日本に還元されなくなる」と指摘した。この他、慎重派議員からは。TPPを一般的な経済連携と分けて考えるよう求める意見が相次いだ。

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