『首相お願い!島を守って TPPで児童が手紙 不安な思いに返信』|日本農業新聞5月25日

 家族がサトウキビに関係する仕事に携わり、環太平洋連携協定(TPP)に参加すれば大打撃を受けると心配した鹿児島県徳之島町の亀津小学校5年生の幸山千尋さん(10)が、野田首相に手紙を送り、首相から「心配しないで」という返事が届いた。千尋さんは「島から仕事がなくならないようにしてほしい」と話している。
 
 徳之島町はサトウキビと和牛が基幹産業。千尋さんの家族は、祖父母がサトウキビを栽培し、父・芳人さん(42)も製糖会社に勤め、家族も日ごろからTPP参加を心配している。
 
 4日、幸山さんの自宅で開かれた国政報告会では、芳人さんらと共にTPPや消費税増税などの話を聞いた千尋さん。「TPPに参加すると大変なことになる」と思い立ち、家族には内緒でTPPに反対する気持ちを手紙につづり、地元選出の打越あかし衆議院議員に託し、野田首相に届けられた。
 
 首相からの返書は21日、首相秘書官からの毛筆書きで届いた。返信には「大切なものはしっかり守っていくので千尋ちゃんも心配しないでください」とあったという。
 
 祖母の美智子さん(66)は「千尋がそこまで家族や島のことを思ってくれていたのかと感激した」と、孫の首相への直談判に目を細めている。
 
 芳人さんは、3人兄弟の末っ子の千尋さんの快挙に驚きながら「とにかく文章を書くのが好きな子。家族を温かい気持ちにさせてくれた」と成長を喜んでいる。(かごしま)

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