『格差医療もたらす 保険医協会がTPPシンポ 兵庫県』|日本農業新聞6月4日

 環太平洋連携協定(TPP)参加に反対する兵庫県保険医協会は3日、「TPPが医療を壊す」と題したシンポジウムを神戸市で開いた開いた。ノンフィクション作家や地域医療に携わる医師らが講演とパネルディスカッションを通じて、TPP参加により日本の医療制度が崩壊して、格差医療を拡大させる危険を訴えた。
 
 同協会はTPP参加が及ぼす影響が国民に十分伝わっていないとして、今回のシンポジウムを企画。医療関係者、一般市民、JA関係者ら約100人が参加した。
 
 ノンフィクション作家の関岡英之氏はTPPと医療問題の関わりについて講演。関岡氏はこれまでの政府発言、新聞報道などから「米国が混合診療の全面解禁を求める可能性は大きい」との見解を紹介。「恩恵を受けられるのはごく一部の富裕層だけ。高齢者や貧困層は見向きもされない医療制度になる恐れがある」と強調した。
 
 関岡氏や田中康夫新党日本代表らがパネルディスカッションで、幅広く議論した。席上、同協会の川西敏雄副理事長は「医療問題で最も迷惑するのは一般国民だ」と訴えた。田中同党代表は「中国とインドはTPPに参加しないのに、どうやってアジアの成長を取り込めるのか」と推進派が主張するメリットを否定した。関岡氏は防衛上でも参加メリットは少ないと主張した。
 
 兵庫県保険医協会は開業医や歯科医師で組織する任意団体。会員は約7000人。

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