論文の概要を改定!?

放射線影響研究所「原爆被爆者の死亡率に関する研究、第14報、1950-2003:がんおよびがん以外の疾患の概要」英語論文の日本語概要が、7月末の時点で「改定」されていると言う情報を、大山こういちさんのツイートで見かけました。

英語論文で、"The estimated lowest dose range with a significant ERR for all solid cancer was 0 to 0.20 Gy."という部分で、和訳では「全固形がんについて過剰相対危険度が有意となる最小推定線量範囲は0–0.20Gy であり」の部分です。

調べてみると、確かに、日本語概要が「改定」されていました。5月末に印刷してあったので、それを今アップされているものと比べました。本文4行目に、5月末のには、「リスクが有意となる最低線量域は0-0.20Gyであった」のが、7月末の時点では、「リスクが有意となる線量域は0.20Gy以上であった」に「改定」されています。すなわち、0.20Gy(200mSv)以下は無視して切り捨ててしまっています。

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元情報はこちらです。

http://ameblo.jp/megumi-jk/entry-11238511139.html
(追記 2012年7月31日)
先ほど確認したところ、上記日本語要約版リンク先の内容が「リスクが有意となる線量域は0.20Gy以上であった」などと書き換えられていました。
放影研に電話確認したところ、「内容は同じだが前の表現だと内容を誤解する一般の方が多かったので変更した」とのこと。

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英語論文

Studies of the Mortality of Atomic Bomb Survivors, Report 14, 1950–2003: An Overview of Cancer and Noncancer Diseases
http://www.rrjournal.org/doi/pdf/10.1667/RR2629.1

全文和訳

放射線影響研究所「原爆被爆者の死亡率に関する研究:1950-2003」日本語版
http://besobernow-yuima.blogspot.jp/2012/05/abcc-1950-radiation-research-14-1950.html

日本語概要

改定前(2012年5月)
https://docs.google.com/document/d/1ODzgGge5Vnp5ngxDwyN0M789AtPadD4qbO1hNjwHqmQ/edit

改定後(2012年7月末)
http://www.rerf.or.jp/news/pdf/lss14.pdf

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ちなみに、この論文は、イアン・ゴッダード氏がビデオで取り上げています。

日本語字幕つき http://www.youtube.com/watch?v=-VAncqK6bl0 
ナレーション日本語書き起こしhttps://docs.google.com/file/d/0B5qUOl0_hAfnTF9BTTRfWGpDczg/edit?pli=1

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