国連人口基金による国連人口白書2001年度版
ほぼ事実そのままのレポートであろう。
IAEAやUNSCEARの報告に真っ向から対立する記録である。
原子力村の影響の薄い国連機関、とくに人道にかかわる分野は
適切な記録をしている。
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原子力発電所による汚染

ウクライナのチェルノブイリ原
子力発電所周辺の汚染地域は、安
全性に欠ける原子力使用がもたら
す大惨事の危険性の最も歴然とし
た例を示している12
。50 万人の子どもを含む 200 万人
以上が直接の影響を受けた。
甲状腺がんが大幅
に増加しており、発生件数が予測
の100 倍以上になっている地域も
ある。甲状腺がんやその他のがん
に対する影響の全容は、今後徐々
に明らかになっていくだろう。ま
た、数年にわたって事故現場の復
旧に当たった 60 万人の兵士と一般
市民も、放射能被曝の重荷を背負
って生きていくことになる。消火
作業と炉心の新たなコンクリート
格納施設を建設するために原子炉
の建物の上で作業をした 5 万人の
被曝と被害が最も深刻であった。
約 30%の人が生殖障害に苦しんで
いることが調査により明らかにさ
れている(その中には不妊や先天
的欠損症の割合が高くなっている
ことも含まれている)。
多くの住民は障害を恐れて子ど
もを産むことをためらっており、
この恐れは保健システムの能力が
衰退しつづけていることで一層複
雑になっている。目に見える影響
だけでも、現場からの距離と被曝
量には明らかに関連がある。奇形
(口蓋裂、ダウン症候群、手足や
器官の奇形など)は汚染が深刻な
地域で 83 %、汚染が中程度の地域
で 30 %、汚染が「ない」地域で
24%増加した。隣国ベラルーシの、
影響が最も深刻な地域では、小児
がん(60 %以上)、血液疾患(54 %)、
消化器疾患(85 %)の増加がみられ
る。
土地の汚染は、農業生産を抑制し、
木を枯らし、水を汚染した。
3500 万人の水源となっている近隣
の河川・水路の汚染の監視と防止
に向けて、細心の注意を払う必要
がある。
石油、ガス、石炭をエネルギー
源とする火力発電所が健康と気候
に影響を与えるという認識がます
ます高まっているため、原子力発
電への依存は増大する可能性もあ
る。これらの設備の適切な運営と
管理、また事故の場合の緊急対策
法を準備し、実行できる能力をも
たない国はいまだに多い。
http://www.unfpa.or.jp/cmsdesigner/data/entry/publications/publications.00010.00000009.pdf

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