テレビドラマ「おしん」の脱走兵・俊作の遺言(フルバージョン)「供養だ。戦争で死んだ人たちのな。いや…。俺が殺した人たちのだ。 おしん。お前は、これから先、何十年もいきていくんだ。いろんな事があるだろう。 つらい事、苦しい事、嫌な奴にだって会う。だがな、決して、人を恨んだり、憎んだり、 傷つけたりしては、いけないぞ。人を恨んだり、憎んだりすれば、 結局、自分もつらい思いをするだけなんだ。人を傷つければ、それは、必ず、 自分も傷ついて、苦しむ事になる。みんな、自分に返ってくるんだ。 もし、おしんが、誰かを憎んだり、恨みたくなった時は、憎んだり、恨んだりする前に、 相手の気持ちになってみるんだ。どうして、この人は、自分に、つらく当たるんだろう。 何か、理由があるはずだ。それに、思い当ったら、自分の悪いところは、直す。 でも。もし、おしんに、悪いところがなくて、相手が横車を押すような事があったら、 相手を責めずに、憐れんでやれ。 理由もなく、おしんを、いじめるやつは、きっと、自分も、不幸な人間に違いないんだ。 心、貧しくて、かわいそうな人間なんだ。そう思って、許してやれ。分かるな。 今は、分からなくても、俺は、ただ、おしんには、人を許せる人間になってほしいんだ。 人を愛する事ができたら、きっと、人にも愛される人間になれる、 そうすれば、心豊かに、生きていけるはずなんだ。それだけは、覚えておくんだな。 俺は、おしんに、字や算術を教えた。でも、そんなもの、いくら上手になったって、 心が貧しければ、何の役にも立たない。いくら勉強して、偉くなっても、 それを使う人間が駄目だったら、いくら勉強しても、それが、仇になる事もあるんだ。 やっぱり、おしんには、難しいかな? 」

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