★【TPP交渉参加表明の意味を考える】2013年3月19日にゃんとま~

 TPP交渉参加声明にはいくつものイミがあって、その1つは何度も述べたように、これを機に安倍内閣が【TPP国内対応】と称して、経済財政諮問会議や日本経済再生本部の民間議員をフル活用して、国内規制緩和をイッキに進めること。おそらくTPPより、このことこそが主目的。なぜならTPPは多国間協議であって、10月の交渉会合での合意が目標だが、紆余曲折が予想され先行き不透明だ。

 だから巷間指摘されているようにTPPのターゲットが日本ならば、日本の規制緩和がTPPで米国が目指している水準と同等になれば、米国やそれに追随する日本TPP推進派の目的は達成されるからである。

 その証拠に、2月の日米共同声明に謳われた自動車・保険・その他の非関税障壁についての日米協議は続いている。ここで注視しなければならないのは、自動車・保険よりも「その他」の部分である。まさにこの協議のために安倍内閣は経済財政諮問会議や日本経済再生本部を設置していたのだ。

 当然安倍首相はわかってこれらのことを遂行しているわけだから、国会で追及されても外交機密をタテにして内容を明かさないだろう。経済財政諮問会議や日本経済再生本部のスケジュールとしては、6月に「骨太の方針」を出すことが決まっている。今のところ日本が最短でTPP交渉会合に出席できるのは9月の会合だ(米国議会90日ルールによる。なお一部報道では7月に追加の会合との記事があるがそれはない)。

 産業競争力会議や規制改革会議で正社員の解雇規制緩和が検討されているが、これは01年~09年の日米投資イニシアティブなどの日米協議で取り上げられ合意に至ったが履行されていないものや、協議の延長線上にあるものだ。ここに注目する必要がある。さらにTPP日米協議開始は08年だ。

 日米投資イニシアティブなどの日米協議では混合診療など現在TPPで問題視されている規制緩和の多くが含まれていた。要するに【日本改造計画】であった。しかし07年の厚労省官僚の反攻で中途で頓挫して現在に至っている。この完遂こそが米国(+日本のTPP推進派)の目的なのだ。

 だから、「骨太の方針」が6月に出るというのはスケジュール的に言えば、それまでに現在続行中の日米事前協議が合意に至ることを意味している。

 最後に:安倍内閣の登場の歴史的意味のひとつは新保守主義を動力にした【日米による日本改造の完遂】にあると私は考えている。

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