私の飲む店には色々な人が隣になる。魚屋さん、居酒屋さん、輸出商……ビッグブルーからなにからなにまで。
 今宵は「あなたがたはなにをやっているか判らない」とお叱りを魚屋さんから受けた。つまり米国でも政治家は「なにをやっているかわからない」ということだった。私は拝聴した上で、「お隣のご夫婦がいまなにをやっているかあなたは判りますか?」と応えた。私も人であるからカッとなる。カッとなるのを、日本でいうなら金丸顔で、反応した。
 私だって魚屋さんが「なにをやっているか判らない」のであるし、みな○○だというても判らないのである。そこで「政治家を莫迦にしやがって」と考えたら政治家ではない。なぜならそれら判らない人びとの数分後には豹変する人どもの豹変ぶりにも私たちには「判らない」けれども、そこに訴えていかねばならないからだし、説明し続けなければいけないからだ。
 それでも食い下がられて、
「あんたがたは隠し事ばかりだ」
 と絡まれたので、
「魚屋さんも、どこでどういうルートでどのくらいのグレードの魚を仕入れて、パックしてをお客様に説明してますか?」
 と応えざるを得ない。
 そう応ずれば黙はれてしまう。
 日本人とのつきあいは私がその土俵に上がってはなしをしなければいけなくなる。それが日本の人間関係なのだろうとおもうが、究めて疲れる世界だとおもう。


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