タンク汚染水漏れ、点検記録なし 福島第一原発

 東京電力福島第一原発のタンクから高濃度の放射能汚染水が漏れた問題で、東電がタンクを巡視する際の点検記録を作っていなかったことが23日、原子力規制委員会による現地調査でわかった。東電の汚染水管理のずさんさが、大量の汚染水漏れにつながっていた。規制委は点検と管理を強化するよう東電に指示した。
 東電はタンクから汚染水漏れがないか、1日2回巡視している。しかし、タンクからの漏れに気づくことができず、約300トンが外に漏れ、一部は海に流れ出ていた可能性が高い。
 この日、規制委の更田豊志委員らが福島第一原発を調査。東電に巡視の状況を記した点検記録を示すよう求めたところ、放射線量や見回った時刻などの記録がなかったことがわかった。
 巡視の際に場所を決めて放射線量を定期的に測って記録しておけば、変化によって汚染水漏れを早い段階で見つけることができる。しかし、点検はタンクから水漏れがないかを外から見るだけだった。
 更田委員は「異常や変化をとらえるためには、平常の状態を記録し続けておく必要がある。点検がずさんと言わざるを得ない。漏洩(ろうえい)を前提とした対策が取れていない」と指摘した。

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