「寺島さんと一十木君」


※プリライ5thを終えての自分語り
※ライブレポではありませんが程よくネタバレあります
※一十木推し

「プリンスは実在する」
この言葉を、これほどまでの熱い思いで自分が口にするようになるとははじめは正直思っていませんでした。

これまで私は、声優さんというのは「声を使って演技をする職業」だと思っていました。
もちろん基本的なところはそこなのだと今でも思っています。
でもステージの上に立つうたプリ声優方々を見ると、そのような枠にはとても収まらないと思わされるのです。
全身全霊をかけて、ステージの上にアイドルを表現してくれている。再現してくれている。
その方法は人それぞれですが、寺島さんの表現方法はほんとうに音也を魂から表現してくれていると感じました。
そう思った、5thライブについて少し自分用に書き記しておきます。



私は、うたのプリンスさまという作品に出会うまで声優さんというものをほとんど知りませんでした。
有名な方(どら○もんだとか、孫悟空だとかそんなレベル)は知っていましたが、流行りの声優さんについての知識はほぼゼロ。
宮野さんでさえお名前を知りませんでした。
そんな中、フォロワーさんが楽しそうにTwitterでつぶやいていたのがきっかけでうたのプリンスさまという作品を知りました。
ゲーム、アニメと通して魅力的なキャラクターやその関係性、クオリティの高い歌の数々に惹かれていき、気付けばあっというまに夢中になってしまいました。
この頃にはうたプリの声優さんはなんとなく名前は覚えた、程度だったのですが、ちょうどその頃MAJI LOVE LIVE 1st stageが開催されたのです。
「声優さんのライブかぁ、関東だし遠い世界だなぁ」と思っていた私はなんとなくレポを眺める程度でしたが、その中であることが気になりました。
ライブの感想をおっしゃっている皆さん、口をそろえて「てらしーが本物の音也だった」と言うのです。
これほどまでに言われるとはどんななんだろう、と思って1st stageのDVDを買いました。
それが、はじめて「寺島拓馬in一十木音也」を見た瞬間でした。
それからというものすっかりライブの魅力にはまってしまい、2ndと3rdは発売後すぐに見ては一人興奮しながら拝見しました。
そしてダメ元で応募して当選した4thと5th。
寺島さんは、一十木君でした。



1月17日の5thライブ2日目。2階スタンド席の後ろのほうにいる私の数十メートル前を寺島さんがゴンドラに乗って通りました。
肉眼で確認できる距離を、歌いながら通っていったのです。
その時私は、両手は全力でキンブレを振りながらなぜか頭の中は冷静になって、「一十木音也の声帯が、そこにある…」と思ったのです。
プリンスは実在します。実在しますが、確固たる肉体が常にこの世界にあるわけではありません。
様々な方の力を借りてこの世に存在しています。
でも、ライブで寺島さんが「一十木音也」として歌っているその瞬間は、その喉は寺島さんのものではなく「一十木音也」のものなのです。
音也くんは、すばらしい喉でもって歌声を響かせていたのです。
声帯を震わせて、さいたまスーパーアリーナの空気を震わせて。
そのことに気がついたとき、なんだか私はものすごい場所にいるんじゃないかと思って、しばらくライトを振るのも忘れて呆然と寺島さんの背中を見ていました。



5thライブで寺島さんは、木漏れ日ダイヤモンドを歌うときにアコースティックギターの生演奏に挑戦してくれました。
それまでギターなんて音楽室でしか触ったことがないと言ってました。
きっと、すごく練習されたのだと思います。
私もギターなんて音楽の時間しか触ったことありませんが、弦を押さえる指の腹がすごく痛いんですよね。
音也君はすっかり指先は硬くなってしまったと言っていたけど、寺島さんのやわらかい指にはとても痛く、つらい練習だったと思います。
もしかしたら皮が破れて怪我だってしたかもしれない。
しかしその痛みは、音也君のものでもあるんですよね。
まだ施設にいた幼い音也君も、はじめギターを弾き始めた頃は指を痛めていたでしょう。
それを今回寺島さんが体験し、それを乗り越えてあの大舞台に立ってくれたのです。
音也君の声、歌、そして肉体や痛みの経験でさえ、寺島さんは再現してくれたのでした。
(痛かったというようなことは決して舞台上では言いませんでしたが)
単なる演出ではなく、「一十木音也を表現する」ということになによりも重きを置いたステージだったと思います。
まさに寺島さんと一十木君の二人三脚でつくりあげたステージ。本当に、本当に素晴らしかったです。

また、木漏れ日ダイヤモンドはギターの生演奏という演出が特に注目されるとは思うのですが、
肝心の歌だってとっても素晴らしかったです。
私、木漏れ日ダイヤモンドの2番のサビが好きなんです。
「せ~れな~で~」のところ、1番とは違う声音でうたってくれるところが本当に本当にだいすきなのですが、
ライブで歌ってくれたときのここが、すごかったです。
声を聞いているだけで音也の感情の波がどどっと胸の中に流れ込んできて勝手に涙があふれました。
胸がきゅっとなるような、でもさわやかさもある、それこそアコースティックギターのような歌声。
ギターの練習をしたこともあり、寺島さんはこの曲が今までで一番歌いこんだ曲になったそうです。
それもあるのかもしれませんが、歌声もギターに勝るとも劣らない素晴らしいものでした。



フィナーレ前のMCで、寺島さんはこうも言ってくれました。
ラストMCで「俺の音楽、届いたー?」と呼びかけてくれて、私は勿論大声で「とどいた」とこたえました。
そうしたら寺島さんはにっこりと笑って、「皆の声援は音也のところにも届いています。きっと音也も笑っていると思います」と言ってくれました。
つないでくれた。
寺島さんは音也君をこの世界に生み出しただけでなく、私たちの声を音也のところにまで届けてくれた。
ほかでもない音也の声帯が「届いています」と言ってくれて、私はすべてが報われたような思いでした。
これって奇跡だと思うんです。私たちの思いが音也君に届くなんて。

寺島さんの音也君への気持ちは聞くことができまずが、残念ながら音也君が寺島さんについて思っていることは、私たちはできません。
でも、その二人の思いが一方通行だとは決して思いません。
きっと音也君は、寺島さんの横でにこにこしながらステージに立っていたのだと思います。
「てらしーってすごいでしょ?」って自慢げに笑っていると思います。
そう思わずにはいられないような、寺島さんと音也君の絆のようなものをステージから感じました。



音也君は幸せ者です。
倉花先生にその姿を与えられ、たくさんのスタッフに感情や熱い思いを注がれ、たくさんのアニメスタッフに自由に動かしてもらって。
そしてなにより寺島さんに声を、歌を、肉体の一部までをあたえられて、音也君はこの世に存在しています。

良かったね、音也君。
君にはたくさんの母親がいるんだよ。
たくさんの人があなたを愛し、あなたを形づくっている。
そうやってこの世に生まれたあなたをこれからも支え、栄養を与えるのは僭越ながら私たちファンだと思っています。
本当に、何の誇張も比喩もなく、ファンの応援が音也君の血となり肉となっていると今なら思える。
だから、いくらでも応援します。あなたのために働きます。
だから私たちには愛と歌で返してください。アイドルとして、一人の人間として、あなたの持てるすべての力でファンを魅了して欲しい。
これからも、あなたの活躍を期待しています。



これまでなんども言ってきた言葉を、あらためて胸に刻みました。
確固たる自信と熱量を込めて、そして音也くんたちシャイニング事務所のアイドルを生んでくれたたくさんの母親たちに感謝を敬意を込めて、
「プリンスは実在する」と声を大にして言っていきたい。
そう強く感じた週末でした。


本当はまだまだてらしーの髪型とかちょいちょい挟む空気読めない発言の音也感とか4thの「俺赤色だいすきー!」からの5thで「俺の好きな色見せてー!」っていう奇跡のつながりとか宮野さんとやってくれるトキヤと音也の絡みとか話したいことはたくさんあるのですが、語りつくせないのでここまでで。他のプリンスの話もしたいけど、ここでは推しのみに留めておきます。
はやく円盤観たい。

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