憲法/ 表現の自由の保障の根拠論 (拙いノートですが,ご参照ください。)


○表現の自由の価値
「・表現の自由(憲法21条)を支える価値は、①自己実現の価値、②自己統治の価値である。①は、個人が言論活動を通じて自己の人格の発展を期するという個人的な価値である。各個人が多くの源(ソース)から情報を受領して自己の知見を広め、人格の発展に資する手段を確保する価値である。②は、言論活動によって国民が政治的意思決定に関与するという公共的な価値である。民主政の過程を基礎づけ維持するために不可欠な価値である。このように、表現の自由は、個人の人格形成にとり重要な権利であると共に、国民が自ら政治に参加するための不可欠の前提をなす権利であり、高度の価値を有する。]

憲法73/ 人権68/ 624/ 表現の自由(憲法21条)を支える価値は,①自己実現の価値,②自己統治の価値。①個人が言論活動を通じ自己の人格を高める個人的な価値。#各個人が多くの源から情報を受領し知見を広め_人格形成に資する手段確保の価値。②言論活動で国民が政治的意思決定に関与する公共的価値,#民主政の過程を基礎づける。
[森圭司『SUPER論文の基礎 憲法Ⅰ』8版(2005年)116頁(芦部『憲法』,『演習憲法』)参照。表現の自由を支える価値)


〇自己統治の価値について(保障の根拠論から検討した保護範囲の画定)
[・憲法21条1項は、表現の自由を保障する。表現行為は、自己実現のために不可欠であり、個人にとって重要な価値を持つ。また、それと同時に、各人に自由な表現行為を認めれば、各個人は政治・文化等のあらゆる領域での社会的決定に自由に参加できるようになり、このことは民主的政治決定や文化面での社会的決定を有益なものにする。個人の表現行為には、個人的な価値(自己実現の価値)に加え、こうした社会的・公共的価値(自己統治の価値)もある。そして、外国人の表現行為であっても、個人的・社会的・公共的価値があることは否定できない。そうすると、表現の自由は、権利の性質上、外国人にも保障されると解すべきである。]

憲法81/ 人権74/ 709/ 表現行為は,自己実現に不可欠で重要な個人的価値を持ち,自由な表現行為を認めれば,#各個人は政治・文化等のあらゆる領域での社会的決定に自由に参加でき_民主的政治決定や文化面での社会的決定を有益なものにする。外国人の表現行為も,個人的社会的公共的価値があり,権利の性質上,基本的に保障される。
[木村草太『憲法の急所』2版194-195頁,なお,200頁L1-5辺り,178頁-179頁も参照。
 表現の自由の保障の根拠論と,外国人の人権に関する権利の性質うんぬんの議論とを,まとめて書いています。どちらも,表現の自由の保護範囲に入るかどうかの問題かなとも思い,そうしました。一応,自分なりに理解して記憶できるように短くしていますので,実際に書くときには,別々に書いた方がいいのだろうとも思います。
 また,この本を読んで初めて,自己統治の価値が政治的意思決定だけに関わるものではないんだということに気が付きました。これは,学説上対立があるんでしょうか,知りません。]


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