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原稿 · @right_droit4

5th Apr 2019 from TwitLonger

刑訴法短文追加分(2019年4月2日-) (8ヶ)


略号: ☆問題,〇判例,◇その他。R論文,Q設問,T短答。⇒ならば,∴なので(したがって,よって,ゆえに),∵なぜならば,⇔これに対し(て),orまたは,butしかし(もっとも),exたとえば。
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◇公判前整理手続の意義
刑訴法111/ 1004/ 裁判所は,#充実した公判の審理を継続的_計画的かつ迅速に行うため必要なときは_当事者の意見を聴いて_第1回公判期日前に,決定で事件を公判前整理手続きに付しうる(刑訴法316条の2第1項)。#争点・証拠の整理を行う。裁判員裁判では必要的(裁判員法49条)。#予断排除の原則との緊張関係を意識した運用要。
[上口裕『刑事訴訟法』2版249頁-250頁参照]

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◇共同正犯の実行行為者は,訴因記載に不可欠か,訴因変更の要否
刑訴法114/ 1007/ 審判対象画定の見地からは,実行行為者明示は不可欠でなく,訴因と異なる認定でも訴因変更不要。⇔被告人の防御権保障の見地からは,実行行為者が誰かは一般的に重要なので,変更が原則。but,不可欠な記載事項ではないので,#具体的審理過程に照らし_被告人に不意打ちとならず_不利益といえない⇒変更不要。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 刑事系』5版241頁-242頁(最決平13・4・11)参照]

◇単独犯として起訴されたが,共謀共同正犯者が存在した場合の訴因変更の要否
刑訴法113/ 1006/ 単独犯として起訴されたが共謀共同正犯者が存在する場合の訴因変更の要否?/当該被告人の行為により犯罪構成要件の全てがみたされると認められるときは,訴因変更不要。∵#共謀共同正犯者が存在するとしても犯罪の成否は左右されないから共犯者の存在は訴因の特定のために必要な事実の変動にあたらない。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 刑事系』5版242頁(最決平21・7・21)参照]

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◇訴因変更命令(刑訴法312条2項)
刑訴法112/ 1005/ 当事者主義的訴訟構造をとる現行法下では,#審判対象設定は検察官の専権であり_裁判所の訴因変更命令義務は原則否定される。but,訴因立証につき裁判所・検察官間に食い違いが生じた場合,常に無罪判決となるとすると,著しく真実発見を害する。例外:犯罪の重大性,②証拠の明白性⇒命令義務あり。×形成力。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 刑事系』5版245頁(最決昭43・11・26,最大判昭40・4・28)参照]

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◇証拠に求められる関連性(寺崎・刑訴法3版384頁以下)
[・証拠調べは、証拠によって要証事実を証明するためになされる。要証事実と関連性のない証拠を調べても意味がない。したがって、証拠は、要証事実が存在するか否かの証明に役立つものでなければならない。証拠のこのような性質を、証拠の関連性(relvancy)と呼ぶ。]
[・一般に証拠に関連性がないという場合、2つの側面を指している。一つは、①その証拠で、要証事実を推認することが不合理な場合である(法295条1項、規則189条1項、参照)。いま一つは、②証拠が、証明しようとする事実に対して、最小限の証明力さえない場合である。]

刑訴法117/ 1010/ 証拠調べは,証拠によって要証事実を証明するためになされる。要証事実と関連性のない証拠を調べても無意味。∴証拠は,要証事実が存在するか否かの証明に役立つものでなければならない(#証拠の関連性,relvancy)。①推認が不合理な場合(刑訴法295条1項,規則189条1項参照),②最小限の証明力さえない場合。
[寺崎『刑事訴訟法』3版384頁,385頁参照(寺崎先生は,自然的関連性と法律的関連性との区分を妥当ではないとされる。)]

◇悪性格の立証,同種前科の立証
刑訴法118/ 1011/ 被告人の悪性格立証は,原則許されない。∵#裁判官に不当な予断を抱かせ_争点を混乱_拡散させるおそれ。例外:被告人側が善良な性格を立証した場合に,反証として可。同種前科の立証も,原則許されない。∵同種前科から,被告人の悪性格を推認し,悪性格から,当該犯罪を行ったと推認する不確実な二重の推認。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 刑事系』5版255頁参照。R19②]

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◇現場指示と現場供述の違い
刑訴法115/ 1008/ 現場指示:検証客体の特定のための支持説明。現場供述:検証現場を利用しての供述。現場指示部分は,#実況見分の手がかりに過ぎず,実況見分と一体として刑訴法321条3項による。現場供述部分は,#供述内容の真実性が問題となるので,伝聞例外(321条or322条)の要件をみたすか判断要。写真部分も同様に区別可。
[辰巳『趣旨・規範ハンドブック 刑訴法』5版278頁(最判昭36・5・26,最決平17・9・27)参照]

◇現場写真と供述写真の違い
刑訴法116/ 1009/ #犯行の状況等を撮影したいわゆる現場写真は,非供述証拠。⇔#再現者が行動で示した供述を撮影した供述写真は,撮影,現像等の記録の過程が機械的操作でなされるので,記録過程の正確性を担保する署名押印は不要。but,#供述内容の真実性が問題となるので,その他の伝聞例外(刑訴法321条or322条)要件充足要。
[『刑事訴訟法判例百選』10版191頁タテ5(2)(最決昭59・12・21刑集38-12-3071,最決平17・9・27刑集59-7-753)参照]

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