2019年9月(29日-30日分)ツイート4:その他(民法3,民訴法1)


2019年9月29日(その他4)
◇留置権の意義,対抗力,4要件
民法149/ 1116/ 留置権は,①#他人の物に関して生じた債権を有するとき,債権弁済を受けるまで,②物の占有者が引渡しを拒む権利。#成立後_債務者からその物を譲り受けた第三者に対しても,債権者が主張しうることは,留置権が物権であることから明白。③弁済期にあり,④占有が不法行為により始まったものでないことも,要。
[最判昭47・11・16民集26-9-1619,藤原正則『民法判例百選Ⅰ』〔79〕160頁,内田『民法Ⅲ』3版504頁,参照]

◇返還請求をする所有者が,債務者でない場合の留置権主張の可否
民法148/ 1115/ Xは不動産をY,Zに二重譲渡。Yへ引渡し後,Z登記具備。Zの明渡請求に,YはXへの損害賠償請求権を理由に留置権主張不可。∵#返還請求者と債務者が同一でないと留置権不成立。AがCから借りた時計をBに修理依頼。Cからの返還請求に,Bは修理代金担保のため留置権主張可。∴#Aに対し留置権が成立し,Cに対抗可。
[内田『民法Ⅲ』3版505頁-506頁〔ⅩⅤ-2〕(最判昭43・11・21民集22-12-2765)参照]

◇共有の法的性質
民法147/ 1113/ 共有の法的性質については,①共有物に対する所有権はあくまで1つで,その所有権が各共有者に分属すると解し,各共有者のもつ持分を所有権の一部と把握する見解(単一説),②#各共有者の有する持分をそれぞれ独立した1個の所有権(持分権)とみて,それが集合した状態が共有であると解する見解(複数説)がある。
[田高寛貴『事例から民法を考える』67頁参照]

◇必要的共同訴訟になるか否かの基準(実体法説,かつての訴訟法学説)
民訴法125/ 1114/ 単一説では,①共有権に基づく訴訟を単独提起できないことになるが,管理処分権を付与する特約,法律の規定(#民法252条ただし書_428条)ある場合,例外。②各人の持分に基づく請求は,請求範囲は共有物全体に及ばないことになるが,#民法249条により結果的に全体に及ぶ。複数説では②持分権に基づく請求のみ。
[七戸克彦『民法判例百選Ⅰ』6版152頁-153頁参照]

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略号: ☆問題,〇判例,◇その他。R論文,Q設問,T短答。⇒ならば,∴なので(したがって,よって,ゆえに),∵なぜならば,⇔これに対し(て),orまたは,butしかし(もっとも),exたとえば。
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2019年9月(1日-28日分)ツイート16:その他(民法1,商法1,倒産法5;刑法9)
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